本日の日本経済新聞に「国保保険料、上限上げ」という記事が載った。
 厚生労働省は、自営業者らが加入する国民健康保険(国保)の年間保険料の上限額(現行63万円=介護保険料分10万円を除く)を2011年度に引き上げる方針を固めたとのことだ。引き上げ幅は、1993年度に並び過去最大だった10年度と同じ4万円程度となる見通し。国保の財政難が続く中、高所得層からの保険料収入を増やし、中間所得層の負担軽減につなげる狙いがあるようだ。

 所得に比例して増える国保の保険料額は、料率の違いから市町村によって異なるが、上限額は国が一律に定めている。単身世帯の年間所得ベースで見ると、約760万円で現行の上限額63万円に到達し、それ以上の所得があっても保険料は変わらない仕組みだ。
 国保は近年、高齢者や非正規労働者の加入が増えるとともに、高齢化に伴う医療費の増加で保険財政が悪化の一途をたどっている。こうした中、低所得層を対象にした保険料の軽減措置を受けられず、かつ上限額に届く所得にも満たない中間所得層の負担感が増す形となっている。

 厚労省は10年度に上限額を59万円から63万円に引き上げたが、中間所得層の負担緩和には上限額のさらなる引き上げが必要と判断した。そこで、40~64の人上限は77万円に、それ以外の年齢層の上限は2万円増の65万円となる。
 また、中長期的に中小企業のサラリーマンらが加入する全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の上限額(現行108万円)と同額とする意向を持っており、両健康保険の格差を段階的に縮めていく上でも引き上げは妥当とみている。見直し後は所得が800万円前後になるまで保険料負担が増える見込みです。中所得層の負担軽減という意味ではやむを得ない改定かもしれませんが、上限ばかりを上げるのは就労意欲の阻害にもつながるのではないかとも考えられる。

 この上限額を利用して、国民健康保険の保険料を節約する方法もあるでしょう。たとえば、世帯合併の届けを提出して、親の世帯と子の世帯を一つにするなどです。今後は、これらの節約方法を検討する必要があるでしょう。