過日、支部会員の尊父さまのご葬儀にお伺いしました。個人の願いで「香典・生花・花輪はご遠慮します」とのことですので焼香のみの葬儀でありました。会葬者には個人の著書「身辺雑記 枯葉の独語録」を頂けるとのことでした、支部長として会員の御身内のご不幸には必ずお伺いしますが、故人のことは何も分からないことが多く、常に「申し訳ない」と感じていましたので、ご本を有り難く頂戴してまいりました。
(三冊1000ページの三冊目の前書きには・・・とあります)
 何事にも始めがあれば終わりがある。これは永遠の法則というべきものだろうが、生きものの生死にはじまり森羅万象の悉くがこの法則のもとに律せられているのだから、これは絶対の宇宙の法則というべきものだろう。
 小誌「身辺雑記」も始めがあったが終わりがきた。大正に生を享け、過去を経験し現在に生き、その眼で将来を思って、思いつくままに雑文を書いてきた。文意到らず、あるいは偏見と独断に終始した内容であるが、冗長を抑え、誇大を嫌って一老生の所感を書いてきた。
 いま、齢八十を迎え、人生にけじめをつけるときに至って「身辺雑記・続々・枯葉の独語録」を上梓する。時期が前後したり、主題が転々としていて奇異に思うところがあるかもしれないけれども、それらは一切関係がない。これをもって、わが人生の訣別の書とすることにする。
 これまでの知遇に厚く感謝する。    平成14年3月20日   東方静夫
(当に私にとって言霊の書)
 今だ読書中でありますが、地元新聞社の常務・実践倫理の長野県代表を務めておられた故人の思いに賛同する点が多々あり、一頁一頁開いて「その通り、有り難い・・・」と思っております。命を続けていく一里塚を示され、私の人生に灯明を頂きました。感謝であります。
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