経済は「百年に一度」といわれた金融市場の混乱や大不況に直面しています。従来の構造パラダイム(基本的な枠組み)から転換し、持続的な経済成長を達成していく道筋につき福田慎一東大教授が日経2010.4.25の「経済論壇から」に寄せられていますのでご紹介します。


(世界の貿易構造変化)

 いまや世界の貿易構造は、米国向け輸出の「一極集中型」から、危機からいち早く回復した新興国向けの輸出の世界貿易に占めるシェアがますます高まって、新興国に牽引された「多極型」へとシフトしつつある。とりわけ、アジア各国で中間層・富裕層が拡大するなか、「世界の市場」としてのアジア内需は、日本経済が持続的な成長を達成するために欠くべかざる存在となっている。


(日本の再生)

 成長を続ける新興国とのダイレクトな結びつきこそが、日本再生の道である。地方を含めた日本の消費財がアジアの消費者をひきつけることができれば、製造業など従来型の輸出産業だけでなく、内需産業・サービス業でも海外発展を期待できるようになる。


(日本の状況)

 少子高齢化が急速に進展している日本では、家計貯蓄率は急速に低下しており、近い将来、貿易収支も大幅に悪化する可能性が高い。そこで、巨額の財政赤字の削減によって貯蓄率の低下を最小限にとどめ、製造業を除くサービス部門などその他の非効率な分野の改善を進め、内なる国際化を進め、国際競争力を持つことが必要。


(身近な対策)

 私も、税理士は赤字企業が80%である中小企業を黒字体質転換、事業後継者の育成、IT経営実現などを通じて国際競争力の強化を支援することは可能。顧客である中小企業に、日本の国民以上にならんとしているアジアの富裕層に提供・購入して頂くける消費財・サービスの創造を促すことが求められていると考えます。


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