3月1日に施行された「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)」の「遺留分に関する民法の特例」は待ちに待った法律であります。

「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」
   http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2009/090209HyoukaGuidelines.htm
「中小企業経営承継円滑化法申請マニュアル」
   http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/080917shokei_manual.htm


(生業家業は生命の苗床)

 高校生の時から父親の税理士事務所を手伝い始めて43年経過して気付くことは「中小企業の従事員は同族関係者が多い」ことであります。定年後の勤め先として、失業中のアルバイト先として、先の戦争では疎開先として、再起をめざす大家族を受け入れるのが跡取りの家であり、生業家業の家であります。


(たわけ者にならないこと)

 農家であれば、頼ってきた一族を養っていくだけの田畑がなければならない。生業家業であってもそれなりの経済力がなければならない。そのため新民法の定めは一族の相互扶助を妨げてきた。生業家業はそこに従事した者の総和そのもので、働き盛りが次々と背負って伝統を守ってきたのが事実であります。生業家業は当主の個人的財産ではない、跡継ぎが責任を持って引き継いでいくことでなければ、伝統文化が消えてしまう。建国230年余しかない国の理想論と、神武天皇即位から2668年を数える国の英知とでは、選択すべきは明らかであります。


(まとまる国とまとまらない国)

 国はそこに住む国民の帰属意識・同一性(アイデンティティー)が強いか否かが、統一国家として存立できるかが決まります。例えば多民族国家であっても、中華思想の中国、建国の精神を大事にする米国の両国と、共産主義が頼りであったソ連を対比すると、国民の抱く合意を大事にする国家だけが繁栄を維持できることが理解できます。私は、国家も家も同じで、日本は司馬遼太郎が説く「太郎の国」であるべきと考えます。


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