日本経済の動向
長野ライオンズクラブの5月第2例会は、ゲストに日本経済新聞社長野支局長田村文教氏をお招きして、20日にメルパルク長野で開催された。ゲストスピーチの題目は「日本経済の動向」。以下はスピーチの要旨。
(経済の回復)
日本経済は、自動車・家電の輸出好調などで企業業績は回復した。これまで、週休3・4日が当たり前であった長野県下主要企業も黒字転換したが、依然賃金は上がらず、雇用の倍率も0.53倍で、消費者の財布は堅い。JR長野駅のタクシーは一日9時間客待ち、3回乗車が現状。実感のない景気回復であるが、さらなる景気悪化はない。景気回復の条件は下記二点ではないか。
(1,内需の拡大)
賃金が上がらない、年金制度への不安で余裕がでれば貯金に回し、家計の金融資産1400兆円は表に出てこない。若者は草食系で、酒を飲みに出ない・海外旅行は行かない、車は買わない、趣味は貯金などなど内向きである。何の憂いもなく消費するには、将来の不安を取り除くことが大事。また、その回復策の基になる消費税の増税は欠かせないと多くの国民は納得している。参議院選挙後には国会議員も動き、景気浮上の政策が動き出す。
(2,国民はハングリーに)
今のままで居られるなら、このまま汗をかかないとする空気が支配している。近隣国、中国・韓国・インドの国民は、経済発展の恩恵によくし、どん欲である。今年中に世界第2位の経済大国の地位を中国に譲るまでは良しとしても、国際経営開発協会(IMD)の2010年版国際競争力で日本は前年17位から27位と大きく後退している。これは大きな問題で、日本国民は再びハングリーになり、豊かな生活を求め、前進しならなければならない。
(技術の集積が必要)
学生の理系離れが進み、技術者が減少している。技術集積と投資が減少して、日本経済が再起できるのか。事実、いま日本製品は売れていない。その原因はマーケティングのミスマッチにある。いくら性能が良くても世界の消費者に買ってもらえなければ意味がない。富裕層だけをターゲットし、他は新興国製品でよしとしては、次第にパイは少なくなっていくのは自明の理である。
(長野県産業界に求める)
市場を求めて海外に進出しなければならない。現在、産学協同で新しい技術の集積を目指しているが、早期にその実を上げること。また、長野県の課題を前向きに取り組むリーダーの出現が求められている。
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