マスコミ報道に「政府調達に競り下げ導入」との言葉を聞き、寂しい思いをしています。日経H22.7.22「経済教室」に神取道宏東大教授は次のように解説しています。


(神取教授は・・)

 「競り下げ」とは、参加者がインターネット上で他社の提示した価格を見ながら、何度でもそれを下回る価格を入札できる方式で、最終的な安値を提示した業者が採用される。
 政府関係者は「一度しか入札価格を提示できない現行の調達方式に比べ、調達コストを1~2割ほど抑えられるかもしれないと」と期待している。
 もしその通りなら1兆~2兆円規模の財源が捻出できることとなり、わが国の危機的な財政事情に対して吉報となるはずである。
 はたして、競り下げはそれほどの効果を持つのでのだろうか。・・・・むしろ改革は「自由な参入」の促進に力点を置くべきである。


(官庁からの受注は・・・)

 地方の中小企業では、コスト割れでも継続受注を期待できる民間受注と違い、官庁からの受注は適正な利益を確保できる有り難い発注先でありました。稼ぎで従業員に給与を支払っていく民間は「損までして受注はしない」のが原則ですので、安価な仕入れ先を確保し入札の臨むのですが、「雑巾を何度も絞り、最後は叩いて絞り出す」発注先の姿勢では、納品業者の息の根を止めてしまう。価格競争力のある中央大手だけしか落札できず、地元雇用を守っている中小企業はその入札にすら参加できなくなる。


(財源を確保して始めて地方行政が成り立つ)

 神取教授とは論点が違いますが、中央はいざ知らず、地方においては、目先の地方財政改革を第一にするのでなく、納品業者からの安定的な経営と雇用の維持からもたらされる納税を期待すべきである。親が自分のことだけ考えて行動すれば、子は生きられない。村のお祭りの様に、景気は所詮祝い酒、ムダの集まり、ムダをそり落とせば、お祭り(政)は成り立たない。人がたくさん集まらなければお賽銭も集まらない。




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