産経新聞に「長寿社会の虚実」なる連載があります。見出しには「かかわりたくない家族、素性明らかな無縁仏」「葬式無用論ブーム 大往生の時代は夢の夢」とあります。今に始まった訳ではありません、どのお寺さんの墓地にもお布施が途絶えて久しい墓石が集められている一角がありました。自分には子供がいませんのでいずれは我が身と考え、墓地を整理し、永代供養で我が家の墓石が処分されることだけは避けたいと考えています。


(何処も墳墓の地)

 狭い日本国土では長い歴史の経過で、日本国中いたるところ墳墓の地と考えれば、また、有史以来墓石がお守りされている家系は希であります。超高齢社会を迎えて、継続できる長寿社会はどの様なものなのか、延命治療で管だらけになって終末を迎えることなのか。自身の死生観が問われているような気がする。


(団塊の世代)

 農業が生活の基盤であった時代から、第二次産業・第三次産業に職場が完全に移った世代が団塊の世代であります。その世代がいま定年を迎えて、田舎に帰る人は少ない。伝統的な地方文化を継承し、日本の精神的ふる里が存亡の危機になっている。


(教育の見直し)

 日本の義務教育課程で、古代から近代までの歴史をシッカリ学ばさせることで、国家への帰属意識を確立させなければ、社会主義国家崩壊に見る精神的支柱の無く単に物的満足を追いかける国民の集合体となる。J・F・ケネディーの兄弟を育てたお母さんは、幼い子供達を連れ、自分たちの先祖はこのボストンの港に貧しい移民として上陸し、一生懸命働き、今の地位を得たと家の歴史を教え続けたとのこと。過去と現在の連結を教えなければ、自分の体内にある先祖の智慧が活かされない。


(覚悟が求められる)

 少子高齢化で、子供世代に頼る生き方がいつまで許されるか。団塊の親の世代は許されてもこれからは違う、自分のことは自分の責任で送るとの覚悟が必要でないか。



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