こころの中で鏡を意識する
母親の七回忌の時、菩提寺の住職から「鏡」と題する詩を頂きました。その詩に、これから厳しくなる経営環境の中で、経営者が心得るべきスキルを感じました。
(鏡)
笑顔で鏡をのぞいたら
鏡の顔も笑ってた
怒って鏡をのぞいたら
鏡の顔も怒ってた
人も鏡のようなもの
あなたが笑って対(むか)うなら
相手も笑ってこたえよう
あなたが怒って対(むか)うなら
相手も怒ってこたえよう
(債務者判断のわかれめ)
過日、お客さまの奥さんから金融機関から融資停止の話しを切り出されたと相談がありました。「経営継続の意欲が感じられない融資先は債務者区分のランクダウンし、不良債権を減らし経営を安定すべし」との金融庁からの金融機関への監督指針が頭に浮かび、金融機関による融資先の選別が始まった直感しました。
(経営者のモチベーションだけ)
早速、奥さんと金融機関窓口へ同行。作成したばかりの経営改善計画を持ち、経営者の事業継続への意欲を伝えた。最初は融資打ち切りの姿勢は固かったが、次第に聞く耳を持ってもらい、融資話はまとまった。
(窓口が主戦場)
融資担当者の素っ気ない対応は、企業業績の不良がもたらす結果である。多くの経営者は気分を悪くし、意気消沈するか、怒りを露わにすることが多く、融資話は成立しない。業績不振の責任は経営者自分にあることを認め、経営改善への取り組みと旺盛な経営意欲を見せないと、融資担当者をして「支えたい企業」とは映らない。
(多くの場面を見てきた)
40年の職業経験で多くの金融機関の窓口でのドラマを見てきた。若い行員に融資を断れ、老いた経営者がカウンターに泣き顔で頭を下げている姿であります。懇願し情けで融資話がまとまることはありません。常に、経営者は融資資金が確実に返済できる確信を与えなければならない。対面する融資担当者の対応は、自分が相手に与えている姿そのものであることを知らなければならない。
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