2010年7月、NPO法人会計基準協議会が、「NPO法人会計基準」を発表しました。

 特定非営利活動促進法(NPO法)成立から12年。
 いまや特定非営利活動法人(NPO法人)の数は4万を超えているそうです。
 NPOに求められる役割も大きくなりつつあると実感していますが、NPO法人に会計基準がありませんでした。

 そのため、
(1)法人間の比較が不可能である
(2)資金の使途が分かりにくい
(3)専門家らの支援も受けにくい
(4)更なる税制改正の制度設計が困難
といった状況がありました。


 このような現状を踏まえて、「NPO法人会計基準策定プロジェクト」が2009年3月にスタートしました。
 NPO法人の信頼性向上を目指し、会計基準の検討を重ねること1年以上・・・。


 発表されたNPO法人会計基準の主なポイントは、以下の通りです。

(1)現金主義・発生主義の混在した収支計算書から、発生主義による活動計算書へと財務諸表の体系を変えることで、活動の実態が分かりやすくなる。

(2)無償または著しく低い価格での施設の提供やボランティアによる役務の提供について、希望する団体においては、会計に書き記すことができる。
 そのことにより、NPO特有の物の寄付やボランティアの価値を表すことができる。

(3)使途が制約された寄付金等を原則注記することで、資金提供元への会計報告が明確になる。


 この基準は強制ではなく、自主的な採用ができます。
 会計基準ができることで、統一された会計基準に基づく会計報告が可能となり、NPO法人の情報公開の向上、信頼性の向上が期待されます。


 このプロジェクトは、日本初と言える民間主体・市民参加型で進めてきました。
 会計基準の設定プロセスも、NPOらしいなと思います!

 いずみ会計では、多くのNPO法人の税務会計のサポートを行ってまいりました。
 今後もNPO法人の情報開示、信頼性の向上に、会計の面からサポートしていきたいと思っております!