国税庁が「平成20事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」を発表しました。平成20年7月から同21年6月までの1年間に実施した税務調査等の状況をまとめたものです。
 今回の発表で目立つのは、同1年間に実施された所得税の調査等の件数73万3千件(前年度より9万4千件減)と、そのうち申告漏れ等の非違があった件数48万6千件(同10万6千件減)が大幅に減少していることです。

 所得税の調査等の件数が大きく減少しているのは、「簡易な接触」が前年度より9万4千件減少しているからです。簡易な接触とは、計算の誤りや各種控除の適用誤りなど簡単な誤り内容について、納税者に電話するか、または税務署に呼んで是正する調査のことです。「簡易な接触」以外の実地調査(特別調査、一般調査、着眼調査)の件数はほぼ前年度並みの10万5千件でした。
 申告漏れ等の非違があった件数が大きく減少しているのも同じ理由です。申告漏れ所得金額の合計額は前年度比5%減の9155億円で、その追徴税額は同8%減の1216億円(加算税含む)でした。

 なお、毎年話題となる「1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」では、「貸金業」が4842万円で昨年に引き続きワースト1。次いで「キャバレー」2725万円、「風俗業」2520万円、「病院」2235万円、「情報サービス」1546万円の順でした。