振り込め詐欺の新種として新たに「手渡し詐欺」と呼ばれる手法が台頭しており、今年9月にはこの手渡し詐欺が33 件も発生しています。
 気になるその手口ですが、まず、家族を装い「会社でトラブルがあって現金が必要になった」などと電話。ここまでは従来の振り込め詐欺と同じですが、手渡し詐欺ではATM操作を要求せず、「会社の部下(または上司、バイク便など)を向かわせるのでお金を渡して欲しい」などと指示。その後、現金の受け手が自宅を訪問し、騙し取ります。また、刑事や銀行協会職員を名乗り「あなたの口座が犯罪に使われている」などと言いキャッシュカードを騙し取る事件も発生しています。
 ところで、振り込め詐欺の被害にあった場合、振り込め詐欺救済法に規定される「犯罪被害金支払制度」が利用可能です。これは、振込先の犯罪利用口座に滞留金がある場合、被害額や被害人数によって按分された金額が戻ってくるもので、被害者に返還された犯罪被害金は非課税です。
 ところが、手渡し詐欺の場合は「振込先」が存在せず、同制度の対象とはなりません。
 そのため、せめて盗難、災害などにより損害を受けた場合に一定金額の所得控除ができる「雑損控除」の対象とはならないものか、と考えがちですが、「詐欺」による被害に同控除は適用できません。
 警視庁のまとめによると、今年9月までの振り込め詐欺認知件数は2207 件で、前年度の約3分の1にまで減少しています。
<情報提供:エヌピー通信社>