(前編からのつづき)
 
 現行の国税通則法では、課税の誤りの訂正を求める場合には、5年前までさかのぼることができます。
したがって、2005年までの過去5年分の所得税については、保険受給者が請求すると還付を受けることができます。
 しかし、還付の対象外(5年超)の2004年分以前については、仮に政府が対応するとしても、保険受給者や生命保険会社が書類をそろえられるのかという問題もあがっています。

 最高裁判決の対象となったものと同様の保険で、すでに遺族に年金の支払いが始まっている件数は、日本生命で約3,400件、第一生命で約4,500件、明治安田生命で約3,600件で大手3社でも計1万件を超えているといわれています。
 また、生命保険以外の金融商品については「政府税制調査会で議論し、来年度の税制改正に間に合うように対応する」との方針を示されました。
 徴収済みの所得税の返還請求や税務実務の見直しなどに大きな影響が出るとみられ、今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年7月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。