6月の日経新聞では中国で頻発する労働争議の話題が多く紙面を飾りました。

 米アップル社からiPadやiPhoneの生産を一手に引き受ける台湾・鴻海(ホンハイ)グループで従業員の自殺が多発していると報じられていたかと思うと、次々と労働条件の改善が打ち出され、賃金は最大122%までの引き上げとなった模様です。

 広東省のホンダのトランスミッション工場でもストライキが発生し、20%以上の賃上げを迫られたといわれています。新聞で報道されていたトヨタを始め、ブラザー工業や韓国系自動車部品メーカーや欧州のビールメーカーなど、各地でストライキが頻発し、沿海部以外にも広がりを見せているようです。

 中国に生産拠点を置いている中小メーカーのお客様と話をする中で私は、「中国は世界的不況からいち早く立ち直り、絶好調」「国内生産が低迷する中で中堅中小の活路もやはり中国」というイメージを強く持っていました。乗用車や電子部品、工作機械など様々な分野で海外生産の盛況振りが伝えられていたところで、相次ぐストライキと賃上げのニュースは私にとって大きな驚きでした。(つづく)

(記事提供者:アタックス 廣瀬 明)