(「iPhoneはなぜ、営業生産性アップに寄与するのか その1」より続く)

 「使途不明時間」がどれぐらいあるかがわかったら、次に、社外営業時間に連続性があるか? 移動距離を考慮したエリア戦略ができているか? 社内の営業/作業時間は最適化しているか? 等について議論を進めます。

社内の作業時間を減らすための手順は以下の通りです。
 1.やらない
 2.任せる
 3.短くする

 この手順どおり検証します。自分がやったほうが速いから他の人には任せられないという発想をする人が企業の中に1人や2人いるものですが、こういう発想は捨てるべきです。業務効率化されないだけでなく、人も育たないからです。そして最後の、「創意工夫を繰り返して短くする」というプロセスに新しい手順を加えます。これが、iPhoneを使って外へ持ち出すということなのです。【なくすこともできないし、他人にも任せられないし、これ以上短くならない作業】を外に持ち出してiPhone上でできるようにすることで、徹底的に営業パーソンが外に出られる「場」を作っていくことができるのです。

 「仮想デスクトップ」などの機能を実装させることで業務効率化を促進させるということが、新聞報道で言われていましたが、確かにそれは可能です。しかしそれ以前に、不必要な作業をしていないか、役割分担がきっちりできているかについて十分な検証ができていないと、目新しいテクノロジーに振りまわされるだけで、想像以上の効果を得ることはできません。iPhoneなどの導入が、「ムリ・ムダ・ムラ」撤廃の絶好のチャンスだ、と捉えてみてはいかがでしょうか。(了)

(記事提供者:アタックス 横山 信弘)