国税当局は現在、消費税調査にこれまで以上に力を入れています。悪質な不正還付やミスが絶えないためです。
 平成20事務年度では、13万1千件の法人消費税調査が実施され、調査官になんらかの非違を指摘されたのはこのうち7万2千件。実に調査に入ったほぼ半数がミスをしていることになります。
 特に、消費税の還付は、国側からすれば税金を持っていかれる制度です。税務署のチェックも厳しくなるので、還付申告の際は十分気をつけて下さい。

 消費税の還付申告では、「仕入控除税額に関する明細書」を作成することになります。この明細書には、還付になった「主な理由」を書き込む欄があり、「固定資産の購入」か「仕入金額・経費の増加」または「その他」を選ぶことになりますが、「その他」の場合、空欄のまま出すのは絶対に避けたいところです。
 なぜなら、必ずといっていいほど税務署側の入念なチェックを受けるためです。税務署に照会を求められたとき、理由があいまい・空欄ではスムーズに還付が受けられない可能性があります。

 気になるのは、この還付申告による税務署側からの接触です。本格的な税務調査になってしまう場合と、簡単な書類チェックだけで済んでしまう場合があります。還付がすんなり受けられたからといって油断は禁物。還付後に税務調査になるケースも多々あります。
 税務調査になるかどうかは、前回調査を受けてからの間隔と、還付の額によるものと考えられますが、還付の理由に関する請求書などはすぐに示せるようにしておきましょう。
 還付額が大きいと、会社の資金繰りに充てたいと考える傾向がありますが、その場合は早めの申告を心がけたいものです。
<情報提供:エヌピー通信社>