6月14日、アベノミクス(第2次安倍内閣が掲げる経済政策)の「成長戦略」が閣議決定されました。このアベノミクスでは、基本方針として3本の矢を打ち出しており、「成長戦略」は第一の矢「大胆な金融緩和」、第二の矢「機動的な財政出動」に次ぐ、第三の矢として注目を集めています。

 これまで、アベノミクスに対しては、金融緩和の効果により株高、円安は実現できたものの、「株価が上がっても庶民の給与は上がらない」「その株価も5月23日の暴落を境に下降している」などと批判の声が挙がっていました。今回発表された成長戦略は、株価や円安だけでなく、実態をともなう経済成長を実現させることで、元気のなかった日本企業に活気を取り戻す点で期待されています。

 すでに、4月と5月に成長戦略の第一弾と二弾が打ち出されており、そこでは保育所の充実などによる女性の活用など多数の項目が掲げられました。今回は、成長戦略の第三弾で、9月には第四弾が発表される予定です。
 
 第三弾で打ち出された事項について、一例を挙げると、「一般用医薬品のインターネット販売を認める」ことや、そのほか、農林水産物や食品は2020年に輸出額を1兆円にする、1人当たり名目国民総所得(GNI)を10年後に150万円以上拡大するなど、数多くの目標が並びました。
 
 ところが、マーケットの反応は「新味に乏しい」と批判的で、結果、株安の一因にもなりました。とくに、一般用医薬品の解禁などに対して、これは戦略ではなく戦術の盛り合わせだ、過去の政権のメニューとあまり変わりがないといった批判が挙がっています。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)