20年前の就職活動は、はがきで資料請求して応募書類を取り寄せることからスタートしていましたが、今は、インターネットの普及により、誰でも閲覧できる就職サイト上で企業情報を確認し、エントリーボタンを押すだけで応募できるなど、就活事情が大きく変化してきました。

 手書きで郵送していた履歴書も、現在ではweb上のエントリーシートに記入することで受け付ける企業が多数あります。「志望理由」「自己分析・PR」「学生時代に一生懸命だったこと」などを400~800字程度で記入し、企業に提出するのです。一度応募書類を作成すると、コピー&ペーストで他の企業の応募書類にも流用することができるため、より多くの企業に応募しやすい状況が生まれているといった皮肉な状況にあります。

 手軽に応募できる背景もあって、人気のある大手企業の人事部には何千通のエントリーシートが寄せられることもあるといわれています。そのため、この段階でwebで適正検査やテストを実施し、いわゆる“足切り”を行うなど、企業側もその対策を検討せざるを得ない状況となっています。そのため応募人数が莫大になると、じっくり丁寧な選考ができず、結果よい人材を見つけることができないといった理由から採用活動の見直しを検討する大手企業も増えています。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)