6月8日、菅直人首相は記者会見において、税財政改革に強い意欲を示し、鳩山前政権が封印してきた消費税率の引き上げ論議を、与野党で協議することにも前向きな姿勢を見せました。

 基本的に鳩山前政権の政策を踏襲する考えを示した菅直人首相ですが、財政再建では方針転換に強い意欲を示しております。
 菅直人首相は、税財政改革について「借金による財政出動でいいのか、税制の構造を変えることで新たな財源を生み出すことが望ましいのか、本格的に議論する時期に来ている」と述べられ、早急に議論を開始する必要性を強調されました。
 これまで民主党は政権公約で、子ども手当や高速道路無料化、農家への戸別所得補償といった政策を並べ、財政悪化もやむなしといった感があります。
 しかし、菅直人首は財務相(当時)時代、2011年度の新規国債発行額について「10年度の44兆3,000億円を超えないようにすべきだ」と財政再建論議を喚起していました。

 同会見においても、「44兆3,000億円の国債を出すことで財政再建が出来るわけではない。これでも借金は増えるんです」と財政悪化への危機感をあらわにしました。
(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年6月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。