生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)が閉幕しました。

 会議では、生物利用によって得られた利益の配分を定めた「名古屋議定書」と生物保全を目的とした「愛知ターゲット」が採択され、今後は、国内の関連法整備が進められることになります。

 愛知ターゲットは、生物やその生息環境を守り、絶滅を防ぐとともに自然の恵みを上手く利用するための目標で、動植物を保護するための区域の数値目標などが含まれます。より一層の環境意識の高まりから、今後は、さらなる環境対策が必要となるのは間違いないでしょう。すでに、大手企業などでは次のような動きが進んでいます。

 パナソニックは、グループの住宅関連事業で使う木材について調達先を自主的に調査しました。結果、伐採時の合法性が確認できない木材が2%含まれていたため、早期にゼロにすることにしています。ネスレは、チョコレートのパーム油の調達先を変更しました。取引先のインドネシアのパーム油生産業者が、生物多様性の宝庫といわれる熱帯雨林を切り開いてヤシを栽培していたことが分かったためです。何らかの環境問題が発生した際に、意図的ではないにしても、間接的に関与したとされてブランドイメージを損なうリスクがあると判断しているものと考えられます。(つづく)

(記事提供者:アタックス 諸戸 和晃)