国と地方の借金の残高が、2011年にはGDPの2倍を超えることになりそうです。

 ざっと金額で表すと、GDPが約500兆円で、借金の残高が約1,000兆円ということになります。少し分かりやすい表現をすると、売上500万の会社が1,000万の借金を抱えているということになるのです。一般的に、借金の担保力(返済する力)としては、利益と資産が挙げられます。この意味では、借金の多寡をGDPとの比率で論じることは象徴的な話としては意味があるということになるでしょう。先に財政危機に陥ったギリシャが136.8%、アイルランドが112.7%であったことと比べると、GDP比2倍超という数値は、これはこれで大変なことなのですが、あまりピンとこない方も多いのではないでしょうか?

 国と地方の財政を考えるにあたっては、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を考えるとわかりやすいでしょう。これは、民間企業でいう利益に近いものです。そして、借金は生み出された利益から返済していくことになるので、利益と借金を比べれば、おおよそ何年で借金が返済できるのかといったことを計ることができます。(つづく)

(記事提供者:アタックス 林 裕人)