(「企業は環境適応業 その1」より続く)

 国内消費の減退が予想される状況下で、大手企業は自社の強みを発揮して海外展開をはかっていますが、問題は中小企業の今後です。人材面、財政面で余裕のない中小企業の海外展開は難しいでしょう。内需の中で伸びる分野を探し、単独で生き残るか、あるいは内需の減退市場に合わせて業界再編、協業、M&Aなどによるオーバーカンパニー、オーバーファクトリー、オーバーストアを解消して生き残ることになるでしょう。

 内需で残された成長分野は高齢者市場、働く女性市場、外国人の誘客市場、レンタル、リユース、リサイクル市場などでしょう。筆者はこれらの市場でどんな会社が頑張っているのか調べてみました。そのいくつかを紹介します。

 上場会社では、ニッコウトラベル(「ゆとりと高品質の旅」をシニア層に提案)、ニチリョク(墓石販売・霊園開発など葬儀・法事のワンストップサービス)、テンポスバスターズ(中小飲食店向け中古厨房機器販売)、コメ兵(宝石、時計、ブランド品の買取、リユース業)などがおもしろいと思いました。未公開会社では、生活の木(ハーブ、アロマテラピーなどハーブのある暮らしを提案、多店舗展開)、ヤマグチ(高齢世代に的を絞った地域特化型「便利な電器屋」)などがおもしろいと思いました。日本国内にはこのようなニッチな分野でキラリと光る会社はたくさん存在します。中小企業経営者で先行き不安を抱えている方は、これらの企業を参考に人口減少社会、売り上げ減少社会の中での自社の生き残り策を考えていただきたいものです。企業は環境適応業なのです。(了)

(記事提供者:アタックス 丸山 弘昭)