中小企業庁では8月31日まで、中小企業向けの会計ガイドライン「中小企業の会計に関する基本要領」(中小会計要領)を活用して経営改善に成功した会社の事例を募集しています。自薦・他薦を問わないことから、税理士が顧問先の成功事例を紹介することも可能です。

 今年度は、中小会計要領の「集中広報・普及期間」(平成24~26年度)の中間年度であることから、中企庁が「中小企業の会計を活用したベストプラクティス(最善手法)集作成事業」として実施するものです。 中小会計要領を活用したことにより、経営が改善された具体的な事例を評価し、発信することで、一層の普及促進・活用を図るのが目的です。
 8月31日の募集締め切り後、審査委員会が「ベストプラクティス集」への掲載候補企業50社を選定します。この50社に対して事務局が直接訪問して取材し、ベストプラクティス集のドラフト(草稿)を作成します。選定された事例は、中企庁のイベントや冊子、ウェブサイトなどで幅広く活用されます。

 今年3月には、東京国際フォーラムで参加者500人規模の「中小会計要領フォーラム」が開催され、多くの税理士が集まりました。来年1~2月にも同様のフォーラムが開催される予定で、そこでは、「中小会計要領ベストプラクティス企業」が紹介されます。
 なお、中企庁が6月に公表した「平成24年中小企業実態基本調査」の確報版によると、昨年8月時点の中小会計要領の周知度は31.2%。社員規模別にみると、5人以下の企業で28.2%、6~20人で33.2%、21~50人で40.8%、51人以上で48.5%でした。国が中小会計要領の有効活用で資金調達や経営力強化につなげてほしいと考えている「経理人員が少なく、高度な会計処理に対応できる十分な能力や経理体制を持っていない」会社ほど、中小会計要領を認知していない明らかになっています。
<情報提供:エヌピー通信社>