消費税の税率引き上げが決まったことを受けて、国税庁はこのほど、総額表示義務の特例措置に関する事例集を公表しました。これは、総額表示義務の特例を適用した事業者が、どのように価格表示をするべきなのかを紹介したものです。事例集は、同庁のホームページからダウンロードできます。
 消費税転嫁対策措置法では、価格の表示に関する特別措置を設けていて、10月以降、税込価格と誤認されないような価格の表示方法に限って、税抜での価格表示を認めています。この総額表示義務の特別措置は、平成29年3月31日まで認められます。

 事例集では、店舗内のすべて値札などで「税抜価格」であることの明示が困難な場合には、消費者の目につきやすい場所に、「税込価格」と誤認されないよう、「当店の価格はすべて税抜表示です」などの明瞭な表示を行う必要があるとしています。
 チラシやインターネットのウェブページで個別の商品価格について税抜価格であることが明示することが困難な場合は、「カタログの価格は全て税抜価格です。消費税分は別途精算させていただきます」などと表示することを事例では示しています。

 値札の変更や書き換えが税率変更時に間に合わず、一時的に一部の商品で旧税率での税込価格の表示が残る場合には、店内の目立つ場所に「値札に8%の表記がない商品は、旧税率(5%)に基づく税込価格です。4月1日以後は、レジにて新税率(8%)に基づき精算させていただきます」などといった表示をするよう呼び掛けています。
 こうした表示は、「提示物が小さくて文字が読みづらい」「レジ前だけにしか提示していない」などの場合には誤認防止措置が講じられているとは認められません。
<情報提供:エヌピー通信社>