(前編からのつづき)

 また、調査事例をみてみますと、国外送金等調書が提供されない外国株式の配当金を申告除外した事例があります。
 外資系企業Xに勤務する会社員Aは、保有する親会社Y株式の配当金を、一時期申告していましたが、ここ数年、給与所得のみ申告していたところ、同様にXに勤務する他者は、親会社Y株式の配当金を申告していたことから、Aについても継続してその配当金の受領があるものと想定されたことから、調査対象となりました。

 調査において、Aは継続して多額の配当金を受け取っていましたが、配当金が国内の銀行口座に入金されると国外送金等調書が提出されることから、配当金の入金口座を国内の銀行口座から海外の銀行口座に変更し、容易に所得が把握されないようにしたうえで、配当金について申告していない事実を把握しました。
 Aに対しては、7年間で約1億9,000万円を申告除外していたことから、加算税を含む約1億円の税額が追徴されております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成25年12月12日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。