日本では、賭博は原則禁止されています。カジノはギャンブル施設ですので、設立するには競馬やパチンコと同様に法整備が必要になります。そのなか、2013年12月5日、国会にカジノ設置を可能にする法案(特定複合観光施設区域整備推進法案)が提出され、2014年、通常国会での成立を目指しています。

 法案成立後、カジノはどの地域に誘致されるのでしょうか。現在、候補地の一つに、東京のお台場があります。ここは、10年以上前から構想があり、五輪開催にともないようやく実現の機運が高まりました。そのほかの候補地には、大阪などの人口の多いところ、さらには沖縄、長崎、北海道などが挙がっています。

 ただし、カジノに対しては、依然根強い反対があります。専門家のなかにはギャンブルの中毒性を危惧する人もいますし、ゲームに多額のお金を投じ、大きな損失を出したケースは枚挙にいとまがありません。そのほかにも、ギャンブルは不道徳だとする声も出ています。さらに、カジノ以外のギャンブルを運営する業界からは、自身の顧客が減ることを危惧して、カジノに対して反対の姿勢をみせる可能性も否定できません。

 さらに、カジノのオープンが東京五輪に間に合うかどうかという時間的な問題もあります。この先、実施法ができるまで2年かかるといわれており、さらには、地元の反対者に対する説明や施設の建設が完了するまでの時間など、実現するまでには多くの時間が必要になります。カジノは観光立国、そして多大な経済効果が期待される一面、こうした決して低くない壁をいくつも乗り越えなければならない現実もあります。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)