子会社は一蓮托生 その1
投稿日:2014年07月07日月曜日 04時36分53秒
投稿者:岡村昭彦税理士事務所 カテゴリー: info
企業が成長するための手法には、内部成長と外部成長の二つの方法があります。内部成長とは、自社で人材を育て、研究開発を行い、自ら設備等の固定資産に投資して、新製品を作りながら、市場開拓をしていく昔ながらの手法です。一方、外部成長とは、研究開発も市場開拓も既に完成してしまっている別の会社を買収して、自社に取り込んでしまうものです。外部成長のことをM&Aといいます。
内部成長はうまくいけば、高い利益を上げられますが、成功するかどうかが不確定なことと、完成するまでに時間がかかるのが大きな難点です。その点、M&Aは、出来上がった会社を買収するのですから、おカネはかかりますが、時間を節約できるのが大きなメリットです。グローバル化やIT化に伴い、経営にはスピードが何より要求されるようになりましたから、M&Aの重要性は以前より一層増大しており、巨額のM&Aの報道も目につきます。
他の会社の株式を購入して、グループ化する場合、注目すべき点は買収した会社が子会社になるか関連会社になるかです。子会社になるか関連会社になるかは様々な要因で決定しますが、一番重要なのは株式所有比率です。株式所有比率だけでは決まらないのですが、株式所有比率15~20%以上であれば関連会社、40~50%以上なら子会社、というのが一つの目安になります。
会計上は関連会社では持分法が、子会社だと全部連結が適用されます。持分法と全部連結は、関連会社や子会社の業績を親会社の連結財務諸表に取り込む会計上の手法です。両者の根本的違いは、その会社が親会社と一体なのかどうか、言い換えれば、親会社と一蓮托生なのかどうかという点にあります。(つづく)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
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