23万超の世帯を対象にした厚生労働省の「平成25年国民生活基礎調査」で、「生活が苦しい」と回答した世帯は約6割であることが分かりました。この調査は消費税増税前の平成25年6~7月に実施されたもので、今後はさらに暮らし向きに対する意識が悪化することも考えられます。

 国民生活基礎調査は、保健や医療、福祉、年金、所得などの基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画・運営に必要な基礎資料を得るためのもの。毎年実施されていて、今回は3年ごとに行われる大規模な調査に該当。「世帯票・健康票」23万4383世帯、「所得票・貯蓄票」2万6387世帯などの有効回答から集計されました。

 暮らし向きの意識についての設問で、「大変苦しい」または「やや苦しい」と答えた世帯の割合は59.9%。近年の推移をみると、平成16年調査では55.9%、19年では57.2%、22年では59.4%と、年々上昇(悪化)傾向にあることが分かります。また、児童のいる世帯で「苦しい」と答えたのは65.9%、さらに母子世帯では84.8%にも上りました。

 平成24年の平均所得については、一世帯あたり537万2千円。前年から11万円減少しました。所得金額階級別にみると、「200~300万円」が13.3%、「100~200万円」と「300~400万円」が13.2%で、「100~400万円」で全体の4割を占めました。所得をその多寡で順番に並べて真ん中になる所得は432万円でした。

 税金や社会保険料などを差し引いた等価可処分所得の中央値は244万円。この半分である122万円を「貧困線」として、貧困線に満たない世帯をみると、全体の16.1%がその境界に達していませんでした。
<情報提供:エヌピー通信社>