“顧客の苦情”の受け止め方
大阪に本社を構えるK社(社員数約800名)は、照明器具を主力製品とする大手メーカーです。
この会社の営業マンが、毎日書く営業日報には、顧客からの苦情欄があり、この部分はミシン線で囲まれ、切り離すことができるようになっています。じつはこの部分には、社長の方針が息づいているのです。
「ほかの事項は各部門長が見ればいい。しかし顧客の苦情だけは、社長まで報告をあげなさい」という社長の考え方が、日報の書式に反映されているのです。
しかも、「きょうの苦情は、きょう報告すること」という即時性が実行されています。
顧客からの苦情は、製品の改良や売り方の改善に関して、貴重なヒントが得られることは常識ともいえます。
ところで御社の場合、得意先や顧客の苦情、どうやって受け止めていますか。
M鉛筆という会社の場合、一本のボールペンが不良品で返品されても、速達で対応しています。だから苦情を抱いた客が、その後の長きにわたり、さらにM鉛筆製品のファンになるのです。
だから苦情に関しては、「災い転じて福となす」という考え方をするのも、会社の常識といえますぞ!