常識は仕事で身につけよ①
●常識は社会のルール
あるコンサルタントの人から聞いた話を紹介する。
全国〇〇〇〇協〇組合という組織があった。過去形で紹介したとおり今は存在しない。この組合からの依頼で業界の仕事をしたが、あるとき大分県某市に講演に出かけた。
朝ホテルに出迎えが来る。その組合の部長が一緒である。そのコンサルタントはゲストという形である。すると迎えに来た若者は、部長に言った。
「部長、鞄をお持ちしましょう」
すると部長は、ひょいと鞄をその若者に渡した。ただそれだけのことである。
そのコンサルタントの人は唖然として驚いた。その人の大きなボストンバッグはそのままである。
話しは変わる、名古屋に出かけた会議の時参加者の中には、当時三洋電機の副社長だった後藤清一さんもおられた。そこへ出迎えが来た。後藤副社長の荷物を見て、迎えの若者は言った。
「副社長、手荷物をお持ちしましょう」
すると後藤副社長はそのコンサルタントの人の大きなバッグを見て、「それより〇〇先生のバッグが重そうだよ」と言われた。すると若者は、「先生のバッグをお預かりしましょう」と言い大きなバッグを受け取ってくれた。お陰で車の乗り降りもらくに出来た。
この二つの出来事を比べて、皆さんはどうお感じだろうか。
常識の問題だと思うが、前出の協〇組合の場合は常識がないのである。上も下もないのである。この組合にある時出かけたそうである。出張で鹿児島に出かけたときの柑橘類の大きなやつでザボンを土産に買って行った。女の子にみんなで食するようにと渡した。
この協〇組合から帰途につくまでに「さっきはお土産を、ありがとうございました」とは、だれも言わなかった。上司の課長も部長も言わなかった。やっぱり常識がないのである。