●細菌とウイルスの違い

感染症とはいっても病原体として、細菌かウイルスかに因って、二つに大別される。

細菌とは生物でありますが、ウイルスは生物とは言いきれないところがあります。

細菌とは、三つの要素を満たしている。細胞を持つ。栄養を吸収し自らエネルギーを生産している。細胞分裂を繰り返し生存・増資も行っている。

一方ウイルスとは、次のようなものである。

細胞がない。栄養を吸収したり生産したりしない。エネルギーを作らないから自分で動けない。ウイルス単体は自力で増殖できない。

ではウイルスを病原体とする疾病には、どんなものがあるのだろうか。

◆風邪 ◆インフルエンザ ◆水疱瘡(みずぼうそう) ◆おたふくかぜ ◆麻疹(はしか)◆風疹 ◆ウイルス性肝炎(A型、B型、C型) ◆デング熱 ◆エボラ出血熱等がある。

一方、細菌性の感染症としては、どんな病気があるだろうか。

◆百日咳 ◆梅毒 ◆結核 ◆コレラ ◆ジフテリア ◆マイコプラズマ肺炎 ◆赤痢  ◆溶連菌感染症 ◆O157 などの腸管出血性大腸菌感染症等。

専門的なことは別にして、同じ感染症としても、病原体としては、ウイルス型と細菌型とがある、という程度は知っておくがいい。

 

●ウイルスとはどんな動きをするのか

ウイスルの中には、宿主の体内に長期間免疫を逃れて、病気を起こさず感染し続けるものもいる。たとえば水疱瘡を起こすウイルスは、細胞の中に潜んで活動を休止しているが、宿主が過労のときなど、再活動化して激しい痛みを伴う帯状疱疹を引き起こす。

ウイルスの攻撃が、免疫の働きを上回りもし宿主が死んでしまうと、ウイルスは増えることができなくなる。もしウイルスが他の宿主に感染できなければ、ウイルスもお仕舞である。

宿主を殺さず、宿主と共存するウイルスのほうが、長期間存在する可能性が高い。

こうしてみると、ウイルスは魂を持つ生き物かと思えるほど、ズル賢い動きをする。

だからこそ、ウイルスの勉強をして、治療法を考えなければならない。

医師、製薬会社、ともにがんばって欲しい。