見るのは凡人の目、“視ると観る”が非凡の目
観察するのを「観る」といいます。物事を深く読み込むようにみることです。
視察するのを「視る」といいます。いろんな物事に幅広い関心を寄せてみることです。
「見る」というのは、見えているからみる。心に残りません。「そんなのあったっけ?」という程度のみるです。
昭和29年。まだテレビも家庭にない頃。本田技研(ホンダ)の本田宗一郎社長は、ヨーロッパ旅行から帰国。空港で出迎えの幹部に言いました。手のヒラに乗せた小さなネジを見せながら、「みやげはこれだけだ」と。
そのネジのヘッドには、十文字のプラスの溝が刻まれていました。いまは当り前のプラスネジです。
このネジのお陰で、自動締結機で一瞬にして、カーッとネジ締めができるようになりました。生産革命です。
本田さんが、視たり観たりしながら持ち帰った宝でした。ところであなたの目は、視る?観る?それとも?