変化はチャンス、逃げるか挑むか
~成功者は必ず“チェンジメーカー”である~
それこそ神代の昔から、“変化”を経て世の中は進歩し発展してきた。
つまり“変化”はチャンスと道連れで訪れる。だから変化から逃げる人と、変化に挑む人とは、変化のときが人生の分水嶺となり、大きく天地や禍福に分かれることになる。
たとえば“ダンボール”の誕生も、当時は大きな包材イノベーションとして評価されたものだが、開発に成功する直前、開発者(井上貞次郎=レンゴーの創業者)の仲間二人は、「こいつと一緒にいたんじゃ、とても成功の美酒なんか飲めるもんじゃねえ」といって逃げている。
井上の一張羅のどてらまで剥ぎ取るようにして、井上の前からとんずらしている。
しかし彼らが逃げた直後、井上は大成功したのである。
変化を読めなかった逃亡仲間と、変化をモノにした井上は、人生を大きく分けたのである。
ところで、いまや当り前の社会現象になっている“コインパーキング”。これを最初にスキ間商法として着眼した人は、西川清という人だ。パーク24㈱の創業者(故人)である。
西川さんは、バブル経済による不動産ブームで全国各地に虫食い跡のように出現した空き地に注目した。土地の所有者も、売ろうに売れずの持ち腐れ。土地活用の知恵も浮かばない。
そこで、土地の所有者にも喜ばれ、街でのチョイ駐車に困っていた人たちにも喜ばれることに着眼して、コインパーキングを始めたのである。
米国には、チェンジ・テーカー(変化の後追い人間)の呼び名がある一方、チェンジ・メーカー(変化を創り出す人)の呼び方もある。西川さんは当然チェンジ・メーカー。
ところで定番のテレビ番組に<カンブリア宮殿>というのがある。司会は作家の村上龍氏。
見ていない人がいたら、経営者必見の番組と思う。ぜひご覧あれ。
この番組で取材対象になる人のほとんどが、チェンジ・メーカーであるからだ。見た人の多くは、なるほど!と首肯納得することが多いはずだ。
ある時「こういう商人こそ、変化を生み出すチェンジ・メーカーではないか」と思った番組があった。なんとOLやサラリーマン向けに“ランチ定期券”なるものを発行し、お値打ちプライスで固定客をつかんでいるのである。こういう人はまさに、知恵でありチェンジ・メーカーではないか。