部下の心服度は上司の「顔の向き」一つで変わる
~一般社員にやる気を持たせる方法~
●孫子の七計
以下は「孫子の七計」である。
『主いずれが道あるか。天地いずれが得たるか。法令いずれが行わるるか。兵衆いずれが強気か。士卒いずれが練れたるか。賞罰いずれが明らかなるか。われ、これを以て勝負を知る。』
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現代文に訳すれば、つぎのようになる。
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経営トップに、明確な経営方針はあるか。
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経営陣は、ライバル企業と比べて有能か。
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事をなすに当たって、タイミングの選択は当たっているか。
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守りの要であるマネジメントは、ライバルに勝るか。
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前線の、監督者や営業マンたちは燃えているか。
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前線をじかに動かす中間リーダーたちは燃えているか。
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信賞必罰はきちんとやっているか。
このように現代の企業経営に置き換えても通用するのが、この「孫子の七計」である。
中でも注目したいのは、6のリーダーの条件である。
リーダーの条件といえば、人格とか人柄から始まり、統率力などさまざまに言われるが、顔の向きがまるで違うものだ。顔の向きとは、自分の人事権を持つ人への顔の向きである。
部下の顔に慶びを与えるリーダーは、自分への評価を考えてはいないものだ。ところが、自分への評価を考えたリーダーとは、上司の方ばかりを向いている。
ところでリーダーとは、役員、部長、課長クラスを指している。
この役員、部長、課長の三役が、どっちの方向を向いているかで、課長以下の社員の志気が違ってくるのである。
即ち、中間幹部次第で一般社員の志気は違うのである。中間幹部がふらついていると、一般社員は燃えないのである。