●午前中は頭脳が生き生きしている

人間の瞳孔は、1日24時間のうちで、「午前8時頃がいちばん大きく開いている」という。ミュンヘン大学のドーリング博士による論文、「24時間中の瞳孔の大きさの変化」ではっきりしているという。東大医学部がドーリング調査をもとに研究したところによると、もっとも瞳孔が縮小する午前5時頃は、ピーク時(午前8時)のざっと4分の1だそうである。

加えて副腎ホルモンの分泌も、ピーク時は午前中である。真夜中はピーク時の4分の1だそうだ。副腎ホルモンとは簡単に言えば、体を加熱して心身をハッスルさせるエネルギーである。

瞳孔も全開の上、副腎ホルモンの分泌もたっぷりという相乗効果の時間帯が、午前中ということになる。要するに脳みそがいちばん冴えている時間帯なのである。

以上に示したように午前中という時間帯は、まさに“黄金の頭脳時間帯”ということになる。

というわけで、午前中に体力を要する仕事をやり、午後に頭脳を要する仕事というのは、手順が違う。頭脳本来の機能に逆らっているから、いい仕事ぶりとは言えない。

というわけで、流行語的に言えば“朝活”が大事である。要するに“朝の持つ効率的な時間を有効に生かそう”というのを“朝活”という。

朝のエンジン始動は、やる気を生み出すドーパミンも寝ている間に蓄積され、覚醒作用のあるアドレナリンも、朝の脳に大量に分泌される。

太陽を浴びて、メラトニンという睡眠ホルモンは吹っ飛び、逆に脳を覚醒させるセロトニンというホルモンが大量に分泌されるなど、ホルモン系の分泌も朝の始動を援助する。