流行を追う「タピオカ」倒産
●タピオカは流行である
タピオカ、とっくにご存じですネ。一世を風靡せんばかりに流行した、飲み物の一種です。(ミルクティにタピオカを混ぜたもの)
このタピオカは、キャッサバという植物の根茎から製造したデンプンのことです。
さて、このタピオカの日本での需要は、タピオカ・ドリンクの一大流行です。
いま一世を風靡せんばかりと言いましたが、通信販売、タピオカをレシピとした調理教室、タピオカ・ドリンクの飲みくらべ教室などと、タピオカを素材にした商品は、増えるばかりだった。
女学生たちが、並んでいたタピオカ専門のドリンク店も、急速に行列が消えた。
何のことはない、ブームは去ったのだ。
原宿の竹下通りには雲霞(うんか)の如く人が集まっていたのに、今ではタピオカと共に、潮が引くように人は去っていった。(コロナのせいもある)
●本物の需要は流行が終わってから
じつは今回のような流行性の強い商品の場合、商材として適正に欠けるのである。
歴史は繰り返すもので、かつては、「水」もそうだった。「水もタダではない」と言われた時代に、猫も杓子も「水」を商材に選んだのである。そして残ったのは、元々強い企業だけが生き残ったのだ。
今回も、元々強い企業もタピオカを商材に選んだ。たとえばリプトンとか、井村屋なども参入している。こういう大手は、思いつきではなく長期戦略で参入しているから、そう簡単には潰れない。しかし、「これは 売れるぞ!」という、賭ける思いから参入した者の多くは、持ちこたえられずに潰れてしまう。
流行とは、そういうものである。
弱い企業は、ちょっとした需要の減退でも打撃に弱い。これは大手の狙うところである。
弱い企業を大手が買収して大きくなっていく。それと同じである。
歴史は繰り返す。流行も繰り返す。本当の需要はブームが去った後にやって来ます。
小さな資金で、流行に挑むのは、冒険が過ぎます。