相続税の抜本改革案として注目を浴びている「遺産課税方式」とは?

 相続税の計算をする際の税率は、金額の区分ごとに税率が定められ金額が大きくなるほ

ど高くなります(これを「超過累進税率」といいます。)。 超過累進税率の例としては、所得税、相続税、贈与税などがあります。

 現行は、法定相続人が相続分等で取得したと仮定した場合の金額に応じて税率を選定す

ることとなっています(遺産取得課税方式をベースに一部遺産課税方式を取り入れた方

式。)。

 これは、分割結果にかかわらず、同じ遺産額で同じ家族構成であれば税額は同一となる

ため公平な課税が可能である反面、遺産額の異動があった場合、全員の税額に影響を及ぼ

すため申告手続の煩雑さも指摘されていました。

 このため、前の政権下では、各人の実際に取得した金額に応じて税率を選定する、「遺

産取得課税方式」へ見直す方向で議論が進められていましたが、見送りとなりました。

 その後の政権交代によって改革案として出されているのが「遺産課税方式」です。

 これは遺産取得課税方式とは逆の考え方で、取得した金額でなく、遺産の総額の金額に

応じて税率を選定するもので、計算が簡単な反面、遺産総額によって税率が選定されるた

め遺産の取得金額が少ない人に対しては重税感を与えてしまう場合もあります。

 国民目線に立った活発な議論に期待です。

http://www.matsuura-tax.com
(まつうら税理士事務所)