■相続人は借金も負担?
相続人は、お亡くなりになった方(被相続人)の財産 (不動産、預貯金など)を取得するだけでなく、債務 (銀行借入金、クレジットロ ーンなど)も負担することになります。
「相続人は、相続開始の時から、被相続人の一切の権利義務を承継する(民法896条抜粋)」
このようなケースには、「相続の放棄」をすれば、債務を負担しなくても済みます。

■相続の放棄の特徴は?
 ただし、「相続の放棄」は、「債務」を負担しなくて良い反面、「財産」も取得することができなくなります(別途、遺言により取得することは可能です。)。
 これは、相続の放棄をした人は、はじめから相続人でなかったものとして取り扱われるため、財産の分配の話し合い(分割協議)にも参加することができません。

■相続の放棄をする原因は?
「債務を引き継ぎたくない」「相続のもめ事には関わりたくない」「生前に贈与を受けているので相続は放棄する」などといったケースに有効です。

■放棄の手続は3ヶ月以内
被相続人の死亡を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に手続をしなければなりません。

■放棄しても取得可能な財産がある?
死亡保険金や死亡退職金は上記の放棄する財産とは別個の財産(受取人固有の財産)であるため、相続の放棄をしても、死亡保険金等は受け取ることができます。
なお、放棄した相続人が取得した死亡保険金等については、相続税の計算上、非課税の優遇規定(500万円×法定相続人の数)を受けることができません。


相続の放棄の手続は3ヶ月以内であるため、死亡後早期に検討する必要がありますのでご注意ください。

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(まつうら税理士事務所)