相続税等では事業承継をスムーズにすすめるための様々な特例制度があります。


詳細は別の機会に譲るとして、概要をご説明します。

1.生前中
【非上場株式の贈与税の納税猶予(会社経営の場合)】
要件を満たした場合には、株式の100%(発行済株式総数の2/3が限度)の贈与税が猶予されます。


2.死亡後
【非上場株式の相続税の納税猶予(会社経営の場合)】
要件を満たした場合には、株式の80%(発行済株式総数の2/3が限度)の相続税が猶予されます。


【小規模宅地等の減額(会社経営・個人経営共通)】
要件を満たした場合には、事業用宅地の80%(全体で400㎡が限度)の相続税が減額されます。


【自社株式の買取特例(会社経営)】
要件を満たした場合には、自社株式の売却益に対する所得税等の税率が20%に軽減されます。



先日参加した事業承継に関する研修会でも、「後継者に経営を移譲(事業承継)するために必要な期間」は、「最低でも10年間」とありました。事業承継には、財産の承継だけでなく、人の承継も必要です。
ただし、後継者育成という側面「人」だけでは充分な効果は得られません。
自社株式、事業用不動産等のスムーズな承継という側面「財産」の対策を生前より行うことによって、将来の相続トラブル「争続」を回避することが可能です。




余談ですが、来春の税制改正で上記の「小規模宅地等の減額」も改正される可能性が高くなってきてます。事業を継続していない場合の減額割合が「50%減額(現行)」から「0%減額(案)」、つまり100%課税へ。(おいおい増税やんか~)

小規模宅地等の減額等含めて、今回の税制改正は別の機会に触れたいと思います。



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(まつうら税理士事務所)