地味な話題なのであまり盛り上がっていませんが
今年の税制改正では税務調査手続きの大幅な変更が予定されています。
主な改正点としては、
1)調査前の事前通知が文書化(以前はほとんど電話での通知)
2)調査結果が文書化(以前はほとんど口頭)
3)調査権限の強化(帳簿書類の提示、提出の要求が明確化)
などがあります。
1),2)は一見、納税者側にやさしい改正にも思えますが、
よく考えたら調査の進捗や経緯の記録が残るということなので、
税務署職員の方々にとっては、
事務作業はもちろん心理的な負担も増えるのではないかと思います。
例えば、事前通知が出ていて調査結果が出ていないような
滞留している案件も明確になるので長期間放置できませんし、
グレーゾーンの取引で現場の調査官の裁量で不問とされた場合も
記録が残るのでうやむやな判断がしにくくなります。
改正の真のねらいは
税務署職員の方々が税務調査に厳しく臨まざるを得ない
環境づくりのようにも感じます。
そう考えると3)の改正とも符合します。
これまでの税務調査の重要なテクニックだった
時間切れや現場交渉が使いににくくなるかもしれません。
平成24年1月1日以降の調査は要注意です。