消費税の取り扱いが複雑な物品の

一つに「医薬品」があります。

ドラッグストアの市販薬には

消費税がかかる一方で、

調剤薬局の処方薬には

消費税がかかっていません。


「社会保険制度は弱者救済が目的なんだから

 医療費に消費税をかけないのは当然じゃないか」

一般の方は、そう思うかもしれませんが

おかげで制度的に歪みが出ています。


具体的に考えてみましょう。


調剤薬局が患者に給付する処方薬には

確かに消費税がかかりませんが、

調剤薬局が医薬品メーカーから

仕入れる医薬品には実は消費税がかかっています。

そのため消費税が増税になると

調剤薬局はその分コスト高となります。


このままだと調剤薬局は

増税分だけ利益が減ってしまいます。

そこで医薬品の公定価格を決めるときに

消費税増税分を薬価に上乗せすることとになっています。

↓参照
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken14/index.html


つまり医療費には「消費税がかからない」ものの、

結局「消費税増税相当額の値上げ」になっています。


実はこの歪みは医療機関等からすでに指摘されていて

過去に国会で質問されたこともあります。

↓参照
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a186083.htm

財務省は「矛盾はない」と答弁しているようですが

患者負担が消費税増税の影響を受けるのは事実なので

悩ましいところかもしれません。


ちなみに政府は今後「薬価引き下げ」も検討しています。

そうなると消費税の増税コストは

すべて調剤薬局の負担になってしまます。

もしかしたらいよいよ「医療機関の淘汰」が

始まるのかもしれませんね。