帳簿上の粗利率がここ数カ月で低下気味の
お客様がいらっしゃいました。
平均の売単価はそれほど変化がないので、
原価に原因があるのだろう、ということになりました。
まずは
「粗利率の低い製品の売上が増えているのではないか」
と考えて、製品別の粗利率を調べることにしました。
製品別に実際の平均売単価を計算し、
標準原価を使って粗利率を計算したところ
最も多く売り上げている製品の粗利率が
4%も下がっていることが分かりました。
当初はこれが原因と思っていましたが、
他の製品では逆に粗利率が上がっているモノもあり、
全体ではあまり影響がないことも分かりました。
結局、これは原因ではない、という結論になりました。
標準原価で計算した製品別の粗利率が影響がないということは
標準原価ではなく、実際原価に原因がある可能性があります。
今度は「実際原価が増えているのではないか」と考えて、
原材料を測量する機械が壊れていないか調べることになりました。
財務資料で見れば「粗利率」は単なる指標の一つですが、
増減の原因を調べるとなると、とても大変な作業になります。
しかしこの作業を丁寧に行うことが、自社の採算向上のカギになると
思います。