「過去に赤字があると利益が出ても税金がかからない」。

経営者なら一度は聞いたことがある話です。

ところが決算書に繰越損失があっても

税金がかかる場合があります。


そもそも会計上の繰越損失と税務上の繰越欠損金は

次のような理由で差異が生じます。

・会計上は費用でも、税務上は損金として認められないものがある
 
 ※交際費や役員賞与など


・会計上の繰越損失に期限はないが、税務上の繰越欠損金は期限がある

 ※H13.4/1 ~ H20.3/31 の欠損金は 7年
   H20.4/1 ~ H29.3/31 の欠損金は 9年
   H29.4/1 ~        の欠損金は 10年


こうした理由で

「決算書上は繰越損失が残っていても

 税務上は認めらずに税金がかかってしまう」

ということが発生します。


ちなみに税務上の赤字は申告書の別表七に記載されています。

「赤字会社を買って節税しよう」とお考えの社長は

決算書だけでなく申告書きちんと確認しましょう。