【 財務省が年金型生保の2年目以後の所得計算法を発表 租税法律主義との関連は?】
投稿日:2010年10月04日月曜日 11時35分29秒
投稿者:税理士 溝江 諭 KSC会計事務所 カテゴリー: General
札幌市豊平区の 税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。
財務省と国税庁は平成22年10月1日、「相続又は贈与等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱いの変更等の方向性について」という文書を公開しました。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/221001hokennenkin.pdf
この文書には、①所得税還付の対象となる生命保険契約等、②所得税還付を受けるために納税者が行う手続き、③所得税還付手続きの開始時期、④所得税還付額の計算方法などが書かれています。
これによると、平成22年10月下旬に所得税法施行令を改正するとともに、法令解釈通達を発表した上で、「保険年金」に係る所得税の取扱いを変更し、その後、所得税の還付の手続きが可能となるとのことです。
しかし・・・・・、これはおかしいですね!
現行の所得税法では年金型生命保険の2年目以後の果実部分に対して所得税を課税することはできません(注1)。課税できるようにするためには、租税法律主義に基づき、所得税法9①十六の「相続等により取得した財産の非課税」規定を改定し、「果実部分については課税する旨」の規定が必要となると思われるます(注2)。しかし、上記の文書によると所得税法の改定をせずに,またまた、通達により課税するという「通達行政」の悪しき慣習を引きずっているように見受けられます。
今回の最高裁判決はまさに通達行政を問題とした判決であったはずです。
私は今回の最高裁判決の意義として、「通達行政からの脱却を間接的に促している」点を評価する者ですが、「2年目以後の果実部分に関する課税関係」についての具体的な判示がなかった点については大きな問題があると捉えています。すなわち、「2年目以後の果実部分に関しても所得税法では課税すると定めていないため、租税法律主義の観点から課税できず、非課税となる。」と具体的な判示にまで及ばなかった点です。はからずもその点が今回もまた悪しき「通達行政の踏襲」を許した原因となったと思えてなりません。残念!
(注1)「2年目以後の果実部分に所得税を課税することはできない」理由
私は、当サイトの「ブログ・コラム」
2010年8月26日 「≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 2 」の
「(3) 運用益の部分は何所得となるのか?」の部分で、次のように書きました。
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=74
「この果実部分も相続により取得したものであるため、結局は所得税法9①十五(現行、第十六号)により非課税とされなければならない。」
(注2)「果実部分については課税する旨」の規定が所得税法で必要となる理由
前掲「ブログ・コラム」の同じ部分。
「本件判決ではこの部分の課税に対する具体的な判示はなかったが、国がこの部分への課税を目論むならば、租税法律主義に基づき、所得税法を改正する必要がある。」
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年金型生保、最高裁判決の問題点を提起します。
◎これは二重課税の問題ではない!分割払いの年賦金ではないのか?!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 1 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=73
◎現行法では、2年目以後の果実部分(運用益)への課税もできない?!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 2 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=74
◎判決が及ぼす影響は税制だけに限らない!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 3 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=75
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税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
Tel 011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
税務会計論演習担当(大学院)
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(対応地域)
札幌市豊平区、札幌市清田区、札幌市白石区、札幌市厚別区、札幌市南区、札幌市中央区、札幌市東区、札幌市西区、札幌市北区のほか北広島市、恵庭市、千歳市、江別市などの札幌近郊
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財務省と国税庁は平成22年10月1日、「相続又は贈与等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱いの変更等の方向性について」という文書を公開しました。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/221001hokennenkin.pdf
この文書には、①所得税還付の対象となる生命保険契約等、②所得税還付を受けるために納税者が行う手続き、③所得税還付手続きの開始時期、④所得税還付額の計算方法などが書かれています。
これによると、平成22年10月下旬に所得税法施行令を改正するとともに、法令解釈通達を発表した上で、「保険年金」に係る所得税の取扱いを変更し、その後、所得税の還付の手続きが可能となるとのことです。
しかし・・・・・、これはおかしいですね!
現行の所得税法では年金型生命保険の2年目以後の果実部分に対して所得税を課税することはできません(注1)。課税できるようにするためには、租税法律主義に基づき、所得税法9①十六の「相続等により取得した財産の非課税」規定を改定し、「果実部分については課税する旨」の規定が必要となると思われるます(注2)。しかし、上記の文書によると所得税法の改定をせずに,またまた、通達により課税するという「通達行政」の悪しき慣習を引きずっているように見受けられます。
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私は今回の最高裁判決の意義として、「通達行政からの脱却を間接的に促している」点を評価する者ですが、「2年目以後の果実部分に関する課税関係」についての具体的な判示がなかった点については大きな問題があると捉えています。すなわち、「2年目以後の果実部分に関しても所得税法では課税すると定めていないため、租税法律主義の観点から課税できず、非課税となる。」と具体的な判示にまで及ばなかった点です。はからずもその点が今回もまた悪しき「通達行政の踏襲」を許した原因となったと思えてなりません。残念!
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2010年8月26日 「≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 2 」の
「(3) 運用益の部分は何所得となるのか?」の部分で、次のように書きました。
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「この果実部分も相続により取得したものであるため、結局は所得税法9①十五(現行、第十六号)により非課税とされなければならない。」
(注2)「果実部分については課税する旨」の規定が所得税法で必要となる理由
前掲「ブログ・コラム」の同じ部分。
「本件判決ではこの部分の課税に対する具体的な判示はなかったが、国がこの部分への課税を目論むならば、租税法律主義に基づき、所得税法を改正する必要がある。」
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◎現行法では、2年目以後の果実部分(運用益)への課税もできない?!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 2 ≫
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