札幌市豊平区の 税理士・社会保険労務士 溝江 諭(みぞえさとし) です。
 
 国民年金保険料の後納(こうのう)がこれまでの2年間から10年間へ延長されます。 
 
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 この延長は次の方にとっては朗報!です。 
 
① 近い将来公的年金を受給したいのだが、ここ10年ほどは国民年金に入っていなかったため、被保険者期間25年を満たすことができないと困っている方。
 
② 過去に未納期間がある被保険者で将来の公的年金を少しでも多くもらいたいと思っている方。
 

1 改正内容
   
 今回の国民年金法の改正は、過去に未払だった国民年金保険料を遡って追加納付できる期間(後納期間)を今までの2年間から10年間に延長するというもので、3年間の時限措置となります。なお、この制度は2012年10月から始まります。
 
 
2 改正の目的
 
 2012年度の国民年金保険料は月額1万5,100円ですが、納付率は約60%と低く、将来に無年金者や低年金者の増加をもたらす恐れがあります。そこで、その緩和策として打ち出されたのが今回の改正です。
 
 厚労省では、後納期間を10年に延長した場合、最大40万人が無年金者にならずに済むと試算しています。
 
 国民年金を満額受給できるのは40年間保険料を払い続けた場合です。2011年度ベースで計算して月額6万5,742円、年額78万8,904円が満額の金額となりますが、未納期間があるとその分だけ年金額は減らされます。現在、国民年金だけの加入者の平均受給月額は約4万8,500円、年額約58万2,000円にとどまっており、厚労省では、後納期間を10年に延長すると、1,710万人の年金額が増加すると試算しています。
 
 
3 後納保険料の金額
 
 なお、後納保険料の金額については注意が必要です。過去1年分までは当時の保険料額で済みますが、過去2年以前の分については後納の対象となる年度によって一定の加算が行なわれ、当時の保険料より多く収める必要があります。ちなみに、平成24年度における後納保険料の月額は以下のように定められています。
 
         ①後納保険料額 ②当時の保険料額   ③加算額
平成14年度    14,940      13,300      1,640
平成15年度    14,720      13,300      1,420
平成16年度    14,510      13,300      1,210 
平成17年度    14,560      13,580       980
平成18年度    14,610      13,860       750
平成19年度    14,640      14,100       540
平成20年度    14,760      14,410       350
平成21年度    14,840      14,660       180
平成22年度    15,100      15,100         0
 
 これによると、例えば、未納であった平成14年度の保険料1年分を後納すると179,280円の負担増に対し、これによる増加年金額は19,656円とされており、年金を9年以上受給して初めて元が取れる計算になります(注)。
 
 
4 後納を検討すべき場合とは
 
 すなわち、①無年金解消のため後納により被保険者期間が25年に達する方、②公的年金の受給額増加を願い、74歳以上まで長生きすることに自信のある方、この方々にとっては、後納を検討する余地が十分にあるということです。
 
 しかし、長生きする自信か、あまりないなあーという方は・・・・。
 
 後納の財源を貯蓄や他の支出に充てたほうが良いかも・・・!?
 
 
5 問い合わせ先
 
 <国民年金保険料専用ダイヤル> 電話番号 0570-011-050
  または
 お近くの日本年金機構へ
 
 
 See you next !
 
 
 その他の『ちょっとためになる情報』は、次のサイトの「お知らせ」と「ブログ・コラム」でどうぞ!!
 
 http://www.ksc-kaikei.com/ 
 
 
(注)【後納保険料の額と年金受給増加額の試算:日本年金機構】
 
 http://www.nenkin.go.jp/n/open_imgs/service/0000006486.xls
 

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  税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
      Tel  011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
 
            札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
                            税務会計論演習担当(大学院)
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