【労働保険料って、どうやって算出するの?】
6月も半ばになり、労働保険料の年度更新書類が送られてくる時期ですね。
年に1回のことなので、いざ書類が送られてきても、
「えーと、去年、どうしてたんだっけ?」
「労働保険の申告書ってどう記入するんだっけ?なんか面倒くさい計算だったような…」
「そもそも、労働保険料って、何の保険料?」
などと、疑問に思ってしまう方もちらほら、きっといらっしゃることでしょう。
今回はタイムリーに、「いまさら聞くのも躊躇してしまう、労働保険料の仕組み」について、
お話したいと思います。
労働保険料は、労災保険料と雇用保険料の2つの保険料から成り立っています。
労災保険料は業種により違っています。
(以前ブログでもお伝えしましたが、平成24年4月より、労働保険料の料率が変わっています)
例えば卸売業ですと0.4%の料率ですが
より危険にさらされる可能性が高い建設事業や鉱業ですと、もっと料率が上がってきます。
雇用保険料は、よく「失業保険料」とも言われていますが、料率は、一般の事業ですと
従業員負担で0.5%、会社側負担で0.85%、合せて1.35%となります。
労働保険料の算出方法ですが、今年ですと、6月1日から7月10日までに、
昨年の4月から今年の3月までの1年間(これを「保険年度」といいます)を単位とし、
その間で全ての労働者に支払われる賃金の総額に、
その事業ごとに定められた保険料率を掛けて算出することになります。
年度更新の手続きは必ず、決められた期間内に行ってください。
もし提出が遅れてしまいますと、国が保険料の額を決定し、
更に年利10%にもなる”追徴金”がかかってくることがありますので、注意したいところです。
ところで、申告書の書類をよく見てみると、「概算」「確定」という言葉がやたら出てくると思いませんか?
なぜなのかというと、
そもそも労働保険料は、まず、1保険年度にかかる保険料を「概算」で納付し、
その翌年の同時期に、実際にかかった保険料を算定することで保険料を「確定」する作業を行い、合せて翌保険年度の「概算」保険料を納付する作業の繰り返しになるからです。
確定した保険料と、前年度に概算で納付した保険料との間に差額が生じた場合、
仮に概算額のほうが多ければ過剰に納付していることになるので、
今回の保険年度の概算納付額にその過剰納付分を充当し、
更に充当しきれなかった差額については、還付してもらうことになります。
ただ、還付を受けるには、所定の還付請求書(申告書とは別になる)を別途記入し提出しなくてはなりません。
また、概算額より確定額のほうが多かった場合は、納付が足りないということになるので
今回の保険年度の概算分と同時に不足分を併せて納付することになります。
では、労働保険料を構成している「労災保険料」「雇用保険料」の対象になる方について見てみましょう。
基本的な考え方として、労災保険料については、
常用・日雇い・パートやアルバイト・派遣社員など、名称や雇用形態に関わらず
労働の対償として賃金を受ける全ての人が対象となります。
ただ、代表権・業務執行権をもつ役員の方は、労災保険の対象とはなりません。
また、原則として代表者と同居の親族の方も、対象とはなりません。(例外もあります)
使用人兼務役員の方については、賃金に当たるもののうち「役員報酬」の部分は含まれず、労働者としての「賃金」部分のみが該当します。
雇用保険料については、常用・日雇い・パートやアルバイト・派遣社員など、
名称や雇用形態に関わらず下記のいずれにも該当する方が対象となります。
1.1週間の所定労働時間が20時間以上であること
2.31日以上の、雇用が見込まれること
(但し、季節的に雇用される方で、4か月以内の期間を定めて雇用されるか、
1週間の所定労働時間が30時間未満である方や
また、昼間が学生の方、65歳以上で新たに雇用される方については除外されます)
雇用保険料についても、会社の代表者や役員は対象とはなりません。
日雇い労働者については、別途扱いが違っており、労働者側の申請により、
申請者に対して「日雇労働被保険者手帳」が交付されることになっています。
労災保険料については100%事業主負担ですが、雇用保険料については
先述のとおり、いくばくかの料率で従業員負担があります。
ただ、雇用保険料を会社側が天引き徴収していても、
当の「資格取得届」がハローワークへ提出されていない場合は、
雇用保険に加入していないことになってしまうので、注意が必要です。
中川会計では、今回の労働保険料申告書ももちろん、社会保険の算定基礎届や
他の社会保険・労働保険関係の業務につきましても承っております。
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