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いまやすっかり、個人向け金融商品として定着した感のあるFXですが、

投資をされている皆様、昨年度の成果は如何でございましたか?
今まで投資とは無縁だったけど、昨年からFXに挑戦された方、
また、今年は大儲けされた方、そして残念ながら損失が出てしまった方…
申告すべき方にとって、今回の内容も必見!どのように申告するべきかをお伝えいたします!!

また、震災で損害を受けた方にとっては、損害の繰越期間が延長されていますのでその情報につきましても、後半にてお伝えします。

FXの確定申告は、”給与所得があるか?”で、必要か否かの条件が違っており、
給与所得のある方であれば、(FXを含む雑所得の年間の合計)>20万円 であれば、申告が必要となります。
(注:給与の年収が2000万円を超える方は、雑所得の合計にかかわらず、確定申告が必要です)

給与所得のない方なら、(FXを含む雑所得の年間の合計)>38万円 なら、

また、年金生活者の場合、(年金所得+FXの利益)>38万円 なら、申告が必要になってきます。

FXの利益は当然ながら課税対象となり、申告書上では「雑所得」になります。

FXは取引会社によって申告方法が違うので、そこは要注意!
具体的には「店頭FX」と「取引所FX」とに分けられ、
店頭FXだと雑所得でも「総合課税」になり、申告書Bの第1表と第2表、
取引所FXだと「申告分離課税」になるので、第3表を使っての申告となります。
まずご自身がお取引されている証券会社での取扱いがどちらに該当しているのか、確認されてから…ということですね。

また、以前のブログ【確定申告で、株式・投資信託の売却損・配当金の税金を取り戻そう!】でも触れましたが、総合課税は15~50%の累進課税となっていますので
FX以外の所得の多寡によって、課税される税率が変わってきます。

税率の高い人だと、最高で50%もの課税に…
株式などと違って特定口座にあたるものが設けられていないので、無申告ではいられないところが辛いですね。

申告分離課税はFXの場合、(所得税15%+住民税5%)の、合計20%が一律に課せられます。
大きく儲けそうな方は、申告分離課税である取引所FXにしておいたほうが良さそうです。
こちらであれば、一定の条件のもとで3年間にわたり損失の繰越ができます。

それぞれの特徴としては、 ・店頭FX⇔取引所FXの間では損益通算ができない

・店頭FXでは過去の損失の繰越ができない

・取引所FXの場合、同じ取引所FXどうしの損益通算は可能である

・店頭FXでは、雑所得内での損益通算は可能(公的年金等の雑所得とも、損益通算できる!)

点が挙げられます。

また、雑所得について全般的に言えることですが、
雑所得⇔(雑所得以外の他の所得)の間での損益通算はできません。
雑所得は、あくまでも雑所得の中でのみ完結する世界なんですね。

株式等の売却益の申告と違う点では、FXには取引手数料などの他に「セミナー受講料」などの経費が認められています。

もちろん、経費と認められる”合理的な理由”があることが必要です。

(FXの儲け-諸経費)=利益、となります。

「FXの儲け」とは、決済損益とスワップポイントの合算です。未決済のものについては所得にはなりませんのでご注意ください。

なお、平成24年1月1日以後に行われる店頭FXでの取引については、「取引所取引」と同様、申告分離課税となり、損失の繰り越しが可能となります。

ですので、総合課税が使えるのは今回の申告までとなります。

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震災で住んでいる家にヒビが入ってしまい補修が必要になった…
震災のために近所の山の土砂崩れが起きてしまい、除去するのにお金がかかった…
そんな方は、今回ぜひ、確定申告しておきましょう。

国税庁でも、震災に関する税制上の追加措置がとられており、
例えば通常の雑損控除では、災害がやんだ日から1年以内に支出したものが対象になりますが、
東日本大震災により住宅や家財に損害が生じた場合には、「3年以内に支出されるもの」に期間が延長されています。

また、雑損控除の繰越の要件も改正されており、

従来では、雑損控除を受けようとする年の確定申告を「期限内に提出している」ことが条件だったのですが、

「確定申告期限後に提出した場合でも適用を受けることができる」ようになりました。

災害による所得税の軽減措置としては、他に「災害減免法」があります。

「雑損控除」か、「災害減免法」いずれかを選択し、確定申告することになるのですが(ダブル取りは不可なのです、)
災害減免法の場合は適用するにあたって要件があり、これに当てはまらない方は使えません。

要件としては

・災害のあった年度分の所得が1000万円以下であること(収入でなく、所得で見ます)

・災害によって受けた損害額が住宅又は家財の50%以上であること

が挙げられます。

雑損控除の場合、上記のような要件はなく、被害を受けた本人や、本人の扶養親族の損害で被った支出につき、申告することができます。

しかし、雑損控除・災害減免法いずれも、損害を被った資産のうち「骨董品や貴金属、別荘、書画などで1個又は1組の価格が30万円を超えるもの」は含まれません。

いわゆる贅沢品と呼ばれるものは対象外ということですね。

それぞれの損失額の計算の方法については、昨年度のコラム「確定申告特集」にて触れていますので、こちらもぜひご覧ください。
2011年度分 確定申告特集の記事はコチラ