平成20年度税制改正による「ふるさと納税制度」の創設に伴い、平成21年度以後の
住民税から寄附金控除の対象となる寄附金の範囲が拡大され控除方式も所得控除方式
から税額控除方式に改正されます。

 一定の額以上の寄付の特典として、大阪市、高松市は博物館などの市の施設の招待券
を贈っているが、マグロ(宮城県塩釜市)、カニ(兵庫県香美町)などの豪華な特産品もあり
ます。

 高松市の場合、5,千円以上を寄附すると、「ふるさと高松応援団員証(高松市10施設パスポ
ート)」が送付され,本人と同伴1名まで,利用料が1年間無料(ただし,特別展は除きます。)
となります。

 「ふるさと納税」とは、住民税の選択納税ではなく「ふるさと(=地方公共団体)」
に寄付した場合、翌年度の個人住民税が税額控除され、適用下限の5千円を超える寄附
金であれば、一定の限度まで所得税とあわせて寄附金の全額が控除される制度です。

 具体的な住民税の税額控除計算は、①寄附金から5千円控除した金額の10%の額に
②寄附金から5千円を控除した金額に所得税の限界税率(90%-0~40%)を加えた額で
ある。ただし、所得税の限界税率を乗じて求める額は、個人住民税所得割の1割が限度
になる。この寄付者に適用される所得税の限界税率という算式が、一般の納税者にわか
りにくいようですが、寄付者の所得税の適用税率のことであり、超過累進部分の金額
控除をしない率といえる。寄付者の適用されている税率区分が20%であれば、そこが限
界税率となり、上記のカッコ内は70%になります。

 平成20年分の寄附金から開始されている「ふるさと納税」の実際の手続きは、納税者
が寄付したい自治体(ふるさと)に5千円の金額を銀行振込などで寄付を行い、領収書
を受領し、翌年の所得税申告書に添付して確定申告し還付等を受ければ、住民税も控除
後の減額された課税金額になって通知されます。

 なお、「ふるさと納税」の対象は、寄付者と“ゆかり”のある地方公共団体に限定さ
れるものではないので、寄付者個人が我がふるさとであると自認する自治体やその指定
団体に寄付した場合、新制度の適用があり、寄付した負担額のほぼ全額が控除されます。

軽減額は、収入や家族構成によって異なり、大阪市財務局のホームページなどで試算できます。

「計算例」
甲さん(年収600万円)が、平成20年11月に故郷の長野県佐久市に10万円を寄付したケース
(1)個人住民税
 ①寄附金控除
  6,000,000円×30%=1,800,000円>100,000円・・・・100,000円
  (100,000円-5,000円)×10%=9,500円
 ②ふるさと納税
  (100,000円-5,000円)×(90%-20%)=66,500円(住民税所得割額の10%が限度)
 ③住民税控除合計額 ①+②=76,000円
(2)所得税
 ①所得税の所得控除額
   100,000円-5,000円=95,000円
 ②控除所得税額
   95,000円×20%=19,000円
(3)控除税額合計
  (1)③+(2)②
   76,000円+19,000円=95,000円
 <結果的に、寄附金10万円から5,000円を引いた金額が控除されている>

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