会社、特に同族会社においては、社長さんに、悩みはなんですかと、尋ねると、税務調査、資金調達及び後継者への事業承継が三大問題のようです。今回は税務調査についてとりあげることにしましょう。(節税は当たり前なのであげませんでした。)
法人を前提にすると税務調査は通常の場合三期分が対象とされます。規模が大きくなると、国税局が担当しますし、国税庁査察部が入る場合は、脱税が悪質だという情報と判断によりその調査が行われることになります。
通常の所轄税務署による税務調査の場合、大抵目を付けられる項目は、限られています。そのポイントを簡単にあげていきましょう。
①同族会社であれば、同族会社と役員との取引や関係会社との取引: 取引の内容とその価格の合理性について
②人件費について架空人件費的なものがないかどうか
③外注費と給与の区別について
④交際費とその関連費用との区分について
⑤通常発生しない取引項目:固定資産の除却・売却が適正に計算されているかどうか(消費税計算を含めて)、 棚卸資産の等評価損計上が適正かどうか
⑥組織変更について:その内容と経済的合理性の有無
⑦海外がらみの取引:取引そのものおよび取引価格の合理性
上述のような点について税務調査では重点的に調査されるのが普通です。各々の取引が経済的実態を反映するように会計処理するとともに、所要の手続きを実施し、文書を作成しておく、といった一連のプロセスを確実に実施することが肝要です。
個別的・具体的な例について留意すべき点は以前も書きましたが、またの機会に観点を変えて書くようにします。
それと最後にもう一つ。国税庁側に立つ税理士さんが少なからずいるという話も聞いたことがあります。本人たちは気づいていない方も。たとえば、国税庁という行政当局が示す通達。確かにガイドラインにはなりますが、後生大事に通達のここに書いてあるなどと暗記した知識を披瀝する方もいます。私自身はこのような方達も同類で視点は国税庁サイドではないかと、思っています。
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