ある大手の経済雑誌がとりあげたニュースによると、グ-グル出身の方が自動会計入力システムソフトを開発して、売出しをはじめたということです。今は無料お試し期間ということです。
これと同様な話は以前からあって大手の会計事務所が開発したシステムで、それはどのようなものかというと、領収証を読み取らせて直接入力するというものでした。
記事によるとウェブ口座から直接会計仕訳を自動生成入力するというものです。メリツトとしては、ウェブ口座を利用した取引に関しては入力の手間が確かに省けるかもしれません。
①対象がウェブ口座だけにすぎないということ
②振替伝票を起票しないと入力ができない取引も少なくないこと
③入力において法人税に関する有利選択などはまったくできないこと
④消費税に関する入力時の判断が正しくできるのは困難であること
⑤会計ソフトと税務ソフトの連動ができないと、入力の二度手間が生ずること
なかなか会計実務の現場を知らない方がシステム開発しているとわからないこともあるとは思いますが、上述のような理由があるため、今回の件も領収書からの自動読み取り入力も、あくまでも人間による入力の一部を代替するしかないということになるでしょう。
かえって会計の入力チエックをする側から言えば面倒になることも考えられます。しかも自動入力ができるということは、どういうことを意味するかというと、税務当局の側からすると、仮に多くの取引をウェブ口座を利用している場合、簡単に調査ができ、しかもウェブ口座を利用していない取引に重点を置いたり、いたくもない腹を探られやすいといったこともあり得ます。
そのような訳で経理部員の人数が多少減るといったことがあるとすれば経費の一部は減るかもしれませんが、デメリットを考えるとそれ以上の効果は考えにくいですね。センセ-ショナルな記事のとりあげをしているようですが、メリット以上の実務上の問題が明らかになってくると思われます。