平成24年度 消費税 改正 (5% → 8% → 10%)
投稿日:2013年01月09日水曜日 17時33分19秒
投稿者:走る税理士 志村 賢一 カテゴリー: 消費税改正の影響
平成24年度 消費税 改正 (5% → 8% → 10%)
平成24年8月10日消費税の増税案(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律)が成立しました。
Ⅰ 消費税率の引き上げの概要
(1) 消費税の税率の引上げと時期と引上げ幅
(2) 適用する税率の原則
(2) 適用する税率の原則
消費税の適用税率は、引渡し、サービスの提供した日における税率が適用されるため、契約の締結日が施行日前であっても、建物の完成引渡しや貸付けをした日が施行日以後の場合は、原則として改正後の税率が適用されます。
Ⅱ 経過措置
契約から引渡しまでに時間がかかる工事や製造などに係る請負、長期間に渡るリ-ス契約等については、取引金額も大きく、税額に及ぼす影響が大きくなるので、以下のような経過措置が設けられました。
1.請負工事等に関する経過措置
(1)税率8%へアップ時期の経過措置(附則5条③)
平成8年10月1日から平成25年10月1日(以下「指定日」といいます。)の前日である平成25年9月30日までの間に工事や製造などの請負契約を締結し、その契約に係る課税資産の譲渡が平成26年4月1日以後になった場合、改正前の5%の税率が適用されます。
ただし、指定日以後に対価が増額された場合、改正前の税率5%が適用されるのは増額前の部分に限られます。
(2)税率10%へアップ時期の経過措置(附則5条⑥)
平成25年10月1日から平成27年4月1日(以下「27年指定日」といいます。)の前日である平成27年3月31日までの間に工事や 製造などの請負契約を締結し、その契約に係る課税資産の譲渡が平成27年10月1日以後になった場合、一部改正後の8%の税率が適用されます。
ただし、27年指定日以後に対価が増額された場合、一部改正後の税率8%が適用されるのは増額前の部分に限られます。
2.資産の貸付け(主にリ-ス契約)に関する経過措置
平成25年10月1日から平成27年4月1日(以下「27年指定日」といいます。)の前日である平成27年3月31日までの間に工事や 製造などの請負契約を締結し、その契約に係る課税資産の譲渡が平成27年10月1日以後になった場合、一部改正後の8%の税率が適用されます。
ただし、27年指定日以後に対価が増額された場合、一部改正後の税率8%が適用されるのは増額前の部分に限られます。
2.資産の貸付け(主にリ-ス契約)に関する経過措置
(1)税率8%へアップ時期の経過措置(附則5条④)
平成8年10月1日から指定日の前日である平成25年9月30日までの間に資産の貸付けに係る契約を締結し、平成26年4月1日前から同日以後引き続きその契約に基づいて資産の貸付けを行っている場合で、契約内容が次の①及び②又は①及び③の要件に該当するときは、平成26年4月1日以後の貸付けに対しても、消費税は改正前の5%の税率が適用されます。
なお、賃貸借契約に係る家賃については要件を満たさないことが多く、主に設備のリース等が対象にした規定と考えられます。
ただし、平成25年10月1日以後に資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合には、変更後における当該資産の貸付けについて経過措置の適用はありません。
①貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること
②事業者が事情の変更その他の理由により、対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
③契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないことその他対価に関する契約の内容が政令で定める要件に該当していること。
(2)消費税が10%に引き上げられる場合
(1)と同様の経過措置が設けられています。(附則5条⑥)
3.役務提供契約に関する経過措置
(1)税率8%へアップ時期の経過措置(附則5条⑤)
平成8年10月1日から指定日の前日までの間に締結した役務の提供に係る契約で当該契約の性質上当該役務の提供時期をあらかじめ定めることができないものであって、当該役務の提供に先だって対価の全部または一部が分割して支払われる契約として政令で定めるものに基づき、施行日以後に当該契約に係る役務の提供を行う場合において、当該契約内容が次の要件に該当するときは、平成26年4月1日以後の役務提供に対しても、消費税は改正前の5%の税率が適用されます。
ただし、平成25年10月1日以後に当該役務提供の対価の額の変更が行われた場合には、変更後における当該役務提供については経過措置の適用はありません。
①役務提供の対価の額が定められていること
②事業者が事情の変更その他の理由により、対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
(2)消費税が10%に引き上げられる場合(附則5条⑥)
(1)と同様の経過措置が設けられています。
4.工事等の請負契約と関係についての考察
経過措置は元請けと下請けの間で契約時期、引き渡し時期によって消費税率の差異が生ずることがあります。
(例)
1.平成25年9月20日、元請け(甲)は、請負工事契約の締結をした。
25年指定日前の契約に付き、引き渡し日が26年4月1日以後でも5%で良い。
2.外注契約
① 平成25年10月1日、下請け(乙)と外注請負工事契約の締結をした。(平成26年4月1日前なので消費税率は外税5%の表示がしてある)
② 平成26年4月30日に工事引き渡しのうえ、下請け請求(契約書による消費税5%)をした。
③ 指定日後にした契約の場合において、課税時期が平成26年4月1日(適用日)以後になっている場合には、8%の消費税率が適用されます。
④ この場合に契約書に消費税5%と記載が有っても、8%の消費税が含まれているものとして双方が計算することが必要です。
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Posted by: shimura511011